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中部地域でのデータサイエンティスト輩出を目指して~インターン生の発表会より~

名古屋市に本社を置く、中部電力グループの「株式会社TSUNAGU Community Analytics」(以下、TCA)に所属するインターン生による「業務成果発表会」が、第1回、第2回と開催されました。

TCAとは?

TCAは、データ分析・データ利活用のコンサルティング・データ分析人材の育成事業等を手がけている会社です。

また、中部地域でデータサイエンティストを育成・輩出することを目的として、インターンシップ制度を活用した大学生の受け入れを行っています。

2024年6月時点では、インターンシップ生(以下、インターン生)を3名受入れています。

これまでに、延べ6名がTCAのインターンシップを経験しており、社員として登用された学生もいます。インターンシップの実施にあたっては、学生ベンチャーである株式会社好生館プロジェクト(以下、好生館)と連携し、学生の募集や育成を行っています。

インターン生が行う「業務成果発表会」

本発表会は、インターン生の成長促進を目的としたものです。

インターン生による業務目標やその達成状況のプレゼンテーション、相互の知見共有を行い、今後の改善点に関して社員からのフィードバックを受けました。


インターン生の発表① Sさん

Sさんの携わるプロジェクトの概要

南山大学  修士1年のSさんは、水力発電所(ダム)の運用最適化プロジェクトに参画しています。プロジェクトの目的は、熟練者のノウハウに頼らずに正確かつ合理的な発電計画を作成することです。

本プロジェクトの中ではAIを活用した水力発電計画の最適化に取り組んでおり、Sさんは大雨等の影響による修正計画作成の最適化に携わりました。

修正計画を評価するためには発電計画のテスト運用が必要であり、Sさんは様々な条件を考慮した最適なテストケースの選定プログラムを作成しました。

第1回の成果発表会では、膨大なデータから最適なテストケース日を選定する評価ロジックを提案し、実業務への採用に至った実績を報告しました。

このような体験から、「初めて業務提案する経験ができ、かつ採用頂いたことが嬉しかった。」、「提案したプログラムの実装は、これまでの業務での経験から自身で行うことができた。」と振り返っています。

また、第2回の発表では、ダムの目標水位を見積もるプログラムの実装にかかる実績を報告しました。

本業務を通して、「プロジェクトの全体像を把握し、取り組むべき方針を立てることができた。」「docstringやpythonの命名規則に倣うことでコードの可読性を向上できた。」と振り返っています


インターン生の発表② Yさん

滋賀大学4年生のYさんは、前出のSさんと同様に水力発電所(ダム)の最適化プロジェクトに参画しています。

このプロジェクトにおけるYさんの役割は2つあります。

①降水によって河川に流入する水量(渓流量)を想定する渓流量予測AIの精度向上

②上記の水量を基に計画を作成する最適化AIの精度向上

Yさんの取り組んだ課題の一例

①においては、降雨があってもモデル上の渓流量がマイナスとなってしまう課題がありました。その課題を解決するために、要因を調査して改善を行いました。
②においては、分析の目的や使用データの定義、分析手順の作成を実施しました。

その業務の中で、手本となる先輩社員からコーディング力や課題発見力、資料作成力などを学び、実務に直結する能力を伸長することができました。
特に、データの構造を理解したうえで分析手順を考えられたため、コーディングの速度を向上することが出来ました。

こうした学びを「大学におけるゼミでのグループワークなどで実践することで、成長を実感できた」と振り返っています。


インターン生の発表③ Kさん

南山大学4年生のKさんは、市場動向予測のプロジェクトに携わっています。

Kさんは、予測精度・予測処理速度の向上を目標として、予測誤差の分析や予測モデルの改修を行いました。

成果発表会では、モデルの改善によって、大幅な処理速度の向上を達成したことを報告しました。

「モデルの改修では数理最適化について学び、モデルの解釈性を高めるためにどのような制約条件を設定すればよいかを理解できた」と振り返っています。

また、予測誤差の改善にも貢献しました。

予測精度の向上を通して、「仮説を立てて予測結果を分析し、また、誤差が大きい日や小さい日に注目してモデル改善のきっかけを探したことで、分析力を高めることができた」と感じているそうです。

Kさんの取組みによる成果


インターン生の発表④ Tさん

名古屋大学 修士2年のTさんは、様々な取り組みの中から、データ分析環境の利便性向上に関する業務についての発表を行いました。

分析環境に関するアクセス権限は、携わるプロジェクトに応じて社員毎に割り振られており、随時権限付与/解除の操作を行っています。

Tさんは、2つの点を目的として、権限操作を一括で行うPythonスクリプトを開発しました。

①業務の自動化による人的コストの削減

②権限変更の対応速度向上

本取り組みにおいては、アクセス権限を操作するため、誤った処理がそのまま業務上の支障に直結してしまいます。そこでTさんは、様々なアラート機能を追加することで、運用可能な状態にすることができたと報告しました。

開発されたスクリプトは実際に社内で利用されており、目的を満足する成果を出しています。

2024年度からTCAの社員として働くTさんは、「自身の経験がないことでも臆せず意見を発信しフィードバックを得ることで、未知の分野においても素早く業務に対応することができた」と語ります。

Tさんはインターンシップの経験を活かし、入社後も活躍の幅を拡げています。


今後の展望

好生館の協力を得ながらインターン生の育成を継続的に行うことで、データサイエンティストの卵を輩出し続け、地域の活性化に貢献していきたいと考えています。


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